〒158-0097東京都世田谷区用賀3-13-7 ゼネラルアコード1階
03-3708-1330
下肢静脈瘤とは
下肢静脈瘤とは足の血管の病気で、「足の血管がコブになる病気」です。
下肢静脈瘤は良性の病気ですので急に悪化したり、命にかかわったりといったことはありませんが、足のだるさや、むくみなどの症状が慢性的に起こるため、生活の質（QOL）を低下させます。
初期段階で、ほとんど自覚症状はありませんが放置しておくと徐々に症状は悪化していき、むくみやだるさなどの症状があらわれます。
さらに悪化すると、潰瘍や色素沈着を起こす場合もあります。
特に高齢女性に多く見られる病気ですが、立ち仕事をしている方や妊娠している方も、なりやすいと言われています。
血管には動脈と静脈の2種類があり、下肢静脈瘤は静脈の病気です。
足の静脈の役割は、心臓から足に送られ使い終わった汚れた血液を心臓に戻すことです。重力に逆らって足から心臓に血液を送らないといけないため、静脈の中には“ハ”の字型の弁があり、立っている時に血液が逆流するのを防いでいます。
下肢静脈瘤は、この静脈の弁が壊れることによっておこる静脈独特の病気です。
弁が壊れてきちんと閉まらないために下流の静脈に血液がたまり、静脈がこぶ（瘤）のようにふくれてしまいます。また、汚れた血液が足にたまるため、むくみやだるさなどの症状が起こります。弁が壊れる原因には遺伝や妊娠・出産、長時間の立ち仕事などがあります。まれに湿疹ができたり、皮膚が破れると潰瘍ができ重症になったりすることがあります。
このような方は、できるだけ早くご相談ください。
「伏在型静脈瘤（ふくざいがたじょうみゃくりゅう）」とは、下肢（足の部分）に見られる静脈瘤の一種で、特に「伏在静脈」と呼ばれる静脈が拡張したものです。伏在静脈は、脚の皮膚近くを流れる主要な静脈で、血液を心臓に戻す役割を持っていますが、血液の逆流を防ぐための弁が機能しなくなると血流が滞り、静脈が膨らんでこぶ状になることがあります。
長時間の立ち仕事、加齢、妊娠、遺伝的要因などが静脈瘤の原因として挙げられます。
脚の皮膚の下に浮き出たような膨らみ、むくみ、痛み、重だるさ、かゆみなどが生じることがあります。
「側枝型静脈瘤（そくしがたじょうみゃくりゅう）」とは、伏在静脈などの主幹静脈から分岐した側枝（側静脈）が拡張してこぶ状に膨らんだ静脈瘤のことを指します。これは下肢の静脈瘤の一種で、特に脚の表面に近い側枝静脈に血液が滞留し、膨らむことによって発生します。
伏在静脈のような主要な静脈で血液の逆流が生じると、その圧力が側枝にも影響を及ぼし、側枝静脈も膨らんで静脈瘤が形成されます。また、加齢、立ち仕事、遺伝的要因なども側枝型静脈瘤のリスクを高めます。
脚の皮膚下に見えるコブ状の膨らみ、むくみ、だるさ、痛み、かゆみなどが現れることがあります。放置すると痛みが強くなったり、皮膚炎や潰瘍を引き起こす可能性もあります。側枝型静脈瘤は比較的浅い位置にあるため、硬化療法やレーザー治療が適用されやすく、治療も効果的とされていますが、早期の対応が望ましいです。
「網目状静脈瘤（あみめじょうじょうみゃくりゅう）」とは、皮膚のすぐ下にある細い静脈が網目状に拡張して浮き出た状態を指します。これは、通常の静脈瘤よりも浅く、太さが1～3ミリ程度の細い静脈で生じることが多く、特に太ももやふくらはぎの外側、膝裏などに現れることが多いです。
網目状静脈瘤は静脈の逆流や、血管壁の弱さによって発生します。遺伝、加齢、妊娠、長時間の立ち仕事や座り仕事がリスク要因とされています。
青や紫色の網目状の血管が皮膚に浮き出るのが特徴です。通常、痛みや重だるさなどの症状は少ないですが、場合によってはむくみや軽い不快感を伴うことがあります。美容的な観点から治療が希望されることが多いです。網目状静脈瘤は健康上の大きなリスクをもたらすことは少ないものの、美容的な理由や軽度の症状改善のために治療が行われることが一般的です。
「クモの巣状静脈瘤（くものすじょうじょうみゃくりゅう）」とは、皮膚のすぐ下にある非常に細い静脈が拡張して、クモの巣のような細かい網目状に広がった状態を指します。このタイプの静脈瘤は、赤や青、紫色の細い血管が皮膚の表面に見られることが特徴で、脚や顔、特に太ももや膝の周辺に多く見られます。
血管が拡張する原因には、加齢、遺伝、妊娠、長時間の立ち仕事や座り仕事、血液循環の悪化などが関係します。特に女性に多く見られ、ホルモンバランスの変化（妊娠やホルモン治療など）もリスク要因となります。
クモの巣状静脈瘤は、通常痛みを伴わないものの、見た目に影響するため美容的な理由で悩まれる方が多いです。稀にかゆみや軽い不快感を感じることもあります。クモの巣状静脈瘤は、一般に健康上のリスクは低いですが、美容的な理由で治療が希望されることが多く、早期治療によって症状の進行を防ぐことも可能です。
長時間立ち続けるや座り続ける方
お仕事や日常生活で長時間同じを続ける方は、足の血液が心臓に戻りにくいなり、静脈に負荷がかかる姿勢です。立ち仕事が多い職業（販売員、教師、看護師など）や、デスクワークで座り続ける方にも注意が必要です。
ご家族に下肢静脈瘤になった方がある
ご家族に下肢静脈腫瘍の方がいる場合、同じ症状が出やすいと言われています。これは静脈や弁の機能が遺伝的に弱い場合があるためです。
妊娠中の方
妊娠中は、ホルモンバランスの変化や赤ちゃんの重みによる血流の圧迫で、静脈に負担がかかりやすくなります。このため、妊娠中や産後の女性は下肢静脈腫瘍ができやすい状態になりそうです。
運動不足の方
不足によりふくらはぎの運動が弱くなると、足から心臓に血液を戻す力が低下します。これが静脈腫瘍のリスクを高める一因となります。
加齢による影響
年齢を重ねることで静脈の弁が弱くなり、血液が逆流しやすいため、加齢もリスクを考慮するのが一つです。
肥満や生活習慣の乱れ
体重が増えると静脈にかかる圧力が高くなり、静脈腫瘍ができやすくなります。また、食生活の乱れや喫煙も血流の見通しを立てるため注意が必要です。
問診・視診
まず、患者様のお話を詳しく伺います。症状がいつから始まったか、足のだるさやむくみなどの具体的な症状、日常生活での影響などを確認します。
その後、足の血管の状態を視診します（目で観察）し、静脈腫瘍の有無や程度を確認します。
エコー（超音波）検査
静脈の中の状態を徹底的に詳しく調べるために、超音波を使った検査を行います。
エコー検査では、見た目ではわからない深部の静脈の異常も確認できます。
必要に応じた追加検査
症状が進行している場合や他の疾患が疑われる場合には、連携医療機関へ紹介し追加検査を行うことがあります。
検査結果をもとに、患者様に適した治療法をご提案します。軽度の場合は生活習慣の改善や弾性ストッキングの着用で様子を見ますが、必要に応じてレーザー治療や硬化療法などの専門的な治療を行います。
日常生活に少し工夫をすることで、下肢静脈瘤のリスクを軽減することができます。
下肢静脈瘤は、脚の血管が浮き上がって見えたり、血管が膨らんでコブのようになったりする症状を伴う病気です。長時間立ち仕事をされている方や、遺伝的な体質をお持ちの方に多く見られるものですが、むくみやだるさなどの不快な症状に悩まされている方も少なくありません。また、美容面でも気になる症状であり、特に女性の患者様にとっては大きなストレスとなる場合があります。
このような下肢静脈瘤の症状を和らげるために、当クリニックでは漢方薬を取り入れた治療も行っています。漢方薬は、全身のバランスを整え、体の中から症状を改善することを目的としています。西洋医学の治療法と併用することで、より良い結果が得られることも多く、患者様一人ひとりの体質や症状に合わせて治療プランを立てることが可能です。
下肢静脈瘤に関連する症状の中でも、特にむくみや脚のだるさにお困りの方におすすめなのが「桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）」という漢方薬です。
この漢方薬は、血流を改善する効果があるとされており、古くから多くの患者様に利用されてきました。桂枝茯苓丸は、血液の滞りを解消し、体を温める働きがあります。そのため、冷え性や月経不順といった女性特有の症状にも効果が期待でき、特に女性の患者様には人気のある処方です。
漢方薬は自然由来の成分で構成されていますが、その効果を最大限に引き出すためには、正しい方法で服用することが大切です。
例えば、桂枝茯苓丸を飲む際には、食前や食間といったタイミングで服用するのが一般的です。これは、胃が空っぽの状態で薬を飲むことで、成分が体に吸収されやすくなるからです。また、漢方薬の効果を感じるまでには少し時間がかかることもありますので、焦らずに続けていただくことが重要です。
さらに、漢方薬の効果を高めるために、日常生活の中でいくつかの工夫を取り入れることもおすすめです。
例えば、適度な運動を習慣にすることで血流が良くなり、脚のむくみやだるさが軽減されることがあります。ウォーキングやストレッチといった簡単な運動でも十分効果的です。また、体を冷やさないように心がけることも大切です。血流を促進するためには、温かい飲み物を摂取したり、冷えやすい部分を重点的に温めたりするのが良いでしょう。
当クリニックでは、漢方薬を用いた治療についても専門医が丁寧にご説明し、患者様の体質や症状に合わせた処方を行っています。漢方薬に初めて触れる方でも、安心して治療を受けていただけるよう、しっかりとサポートいたします。また、西洋医学と漢方医学を組み合わせた治療により、下肢静脈瘤の症状をより効果的に改善することを目指しています。
下肢静脈腫瘍の症状や治療についてお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。皆様の健康を全力でサポートいたします。
TOP