透析シャント（バスキュラーアクセス）とは？

当クリニックの透析シャント（バスキュラーアクセス）のこだわり

透析シャント手術には大きく分けて2種類あります。

透析シャントPTA（経皮的血管形成術）とは？

透析シャントPTA（経皮的血管形成術）とは透析シャントの血管が狭い、または閉塞した血管部分に、カテーテルを挿入～バルーンを膨らまし、血管を拡張させて、血流を改善するために行う治療法です。

透析シャントの管理方法について

日常管理で気をつけること
シャント側の腕で重い荷物をもたない
寝る時に腕枕やシャント側の腕を下にしない
シャント側の腕で血圧測定をしない
腕時計はシャント側の腕につけない
シャント血管を圧迫するような服装は避ける
ぶつけたり、引っかからないように気をつける

透析シャント再建術について

透析シャントPTA（経皮的血管形成術）でシャント血管の血流が改善しなかった場合に再建術を検討します。
透析シャント再建術は、次のような場合に検討します

• シャントが閉塞した場合：血栓やプラークによってシャントの血流が遮断されている
• 血管が狭い場合：シャントの血管が細くなり、血流が十分に確保できない
• シャントが破損した場合：外部の衝撃や過度の負担によってシャントが破損した
• シャントの動脈と静脈の接続部に問題がある場合

シャント血管の異常セルフチェック

見てわかる
シャント血管やその周辺が赤い
シャント血管やその周辺に熱がある気がする
シャント部分や周囲が腫れてきた
触ってわかる
シャント血管がいつもより硬く感じる
脈拍（振動）がいつもより弱く感じる
聞いてわかる
血流の音が途切れ途切れ聞こえる
シャント音がいつもより弱く感じる

普段と比べてシャント血管に少しでも異常を感じる場合お気軽に当クリニックへご相談ください。

透析シャントにおける動脈表在化術とは？

動脈表在化術とは、透析用のシャントが作成できる血管が見当たらない場合や、人工血管が作成できない場合に選択される透析シャント手術です。この手術では、血液透析を行う際に静脈と動脈の2本の血管に針を刺す必要があるため、患者様自身の静脈が使用可能であることが条件となります。

動脈表在化術の対象となる方

心不全の患者様では、シャントが心臓に負担をかける可能性があるため、適応できない場合があります。
そのため、動脈を皮膚の近くまで移動させ、直接動脈に針を刺して血液透析を行えるようにするため「動脈表在化手術」を選択します。

動脈表在化術後の注意点

手術後も血管の健康を保つため、特に入浴時の感染予防や血圧管理や食事管理など日常生活における注意が必要です。

シャント瘤切除について

シャントは一瞬の使用や血流の変化によって、血管が膨張らむ「シャント腫瘍」が形成されることがあります。シャント腫瘍は、見た目だけでなく、血流の障害や破裂のリスクを考慮して、適切な管理と治療が必要です。

術前には超音波検査やCT検査を用いてシャント腫瘍適当や位置、血流の状態を確認します。また、手術後の透析を含めた調整も同時に行います、必要であれば一時的なカテーテルの使用を検討します。

手術は通常、局所麻酔または全身麻酔のもとで行われます。シャント腫瘍のある部位を露出させた後、腫瘍の部分を慎重に切除し、血管を正しく縫合して血流を正常化させます場合によっては、切除後の血管を強化するために人工血管や自己血管を使用することもあります。
手術の過程では、患者様の血管にかかる負担を極力抑え、感染や再発のリスクを減らすため細心の注意を払います。

術後には、シャントの血流状態を再度確認し、問題がないことを確認した後、抗生物質の投与や傷口の管理を行います。透析は通常、手術後1～2日以内に再開しますまた、術後の経過観察やフォローアップをしっかりと行い、患者様が安心して透析生活を続けられるようサポートします。